宮崎市郡歯科医師会では、「体の不自由な方にこそ健康な歯を!」をスローガンに、お口の病気で新たな障がいを作らないよう、在宅寝たきり者、要介護高齢者、難病者、障がい児者のお口の健康を守り、共に育て、維持することを目指して、平成14年11月、宮崎市新別府町に宮崎歯科福祉センターを開設いたしました。
ところが、この一帯は南海トラフ地震が発生した場合、津波の浸水想定地区になっており甚大な被害が予想されることから津波の及ばない内陸の安全な地域への移転が検討され、宮崎市郡医師会病院、宮崎市郡薬剤師会 会営薬局と共に生目の有田地区に生目の杜医療防災拠点として、令和2年8月1日に宮崎歯科福祉センターは移転開業致しました。
当施設は、障がいのあるために一般の歯科医院で受診が困難な方への歯科治療を行うバリアフリーの障害者歯科診療室に加えて、在宅で寝たきりのため、通院が困難な方への訪問歯科診療・歯科保健指導の専門家を派遣する在宅歯科医療連携室、市民に対して口腔保健の啓発活動等を行う宮崎市口腔保健支援センターを併設しております。どなたでもお気軽にご相談、ご利用ください。
お陰様で新センターは令和2年に実施した調査において令和元年の延べ患者数が全国の障がい者歯科診療施設(大学病院歯科は除く)の中でトップとなりました。これも、患者さん、宮崎市郡歯科医師会会員、歴代役職員、宮崎市・宮崎県などの行政、宮崎県歯科医師会・宮崎市郡医師会・宮崎市郡薬剤師会・宮崎県看護協会などの諸団体、業者さん、付近住民、その他新センター移転に関わったすべての人のおかげだと感謝しております。
社会的に弱い立場の人がいかに暮らしやすいかが、その都市の文化のバロメーターと言われています。私共、宮崎市郡歯科医師会と宮崎歯科福祉センターは、今後も歯科医療に従事する立場から、安心して暮らせる都市づくりと、ノーマライゼーションの普及、浸透に励んでいきたいと考えています。
これからも歯科医療を通して高齢者から子ども、有病者・障害者に至るまで、すべての地域住民の健康と福祉の増進を担えるよう努力して参りますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。
(一社)宮崎市郡歯科医師会 宮崎歯科福祉センター
センター長 野村 賢介